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昭和22年12月22日 施行
最新改正 平成17年10月21日 法律第102号
第一章 総則
【第1条】 戸籍に関する事務は、市町村長がこれを管掌する。
2 前項の事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
【第2条】 市町村長は、自己又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属に関する戸籍事件については、その職務を行うことができない。
【第3条】 法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
2 市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。この場合において、戸籍事務の処理の適正を確保するため特に必要があると認めるときは、指示をすることができる。
3 戸籍事務については、地方自治法第245条の4、第245条の7第2項第1号、第3項及び第4項、第245条の8第12項及び第13項並びに第245条の9第2項第1号、第3項及び第4項の規定は、適用しない。
【第4条】 都の区のある区域においては、この法律中の市、市長及び市役所に関する規定は、区、区長及び区役所にこれを準用する。地方自治法第252条の19第1項の指定都市においても、同様である。
【第5条】 削除
第二章 戸籍簿
【第6条】 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
【第7条】 戸籍は、これをつづって帳簿とする。
【第8条】 戸籍は、正本と副本を設ける。
2 正本は、これを市役所又は町村役場に備え、副本は、管轄法務局若しくは地方法務局又はその支局がこれを保存する。
【第9条】 戸籍は、その筆頭に記載した者の氏名及び本籍でこれを表示する。その者が戸籍から除かれた後も、同様である。
【第10条】 何人でも、戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求をすることができる。
2 前項の請求は、法務省令で定める場合を除き、その事由を明らかにしてしなければならない。
3 市町村長は、第1項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
4 第1項の請求をしようとする者は、郵便その他の法務省令で定める方法により、同項の謄本、抄本又は証明書の送付を求めることができる。
【第11条】 戸籍簿の全部又は一部が、滅失したとき、又は滅失のおそれがあるときは、法務大臣は、その再製又は補完について必要な処分を指示ずる。この場合において、滅失したものであるときは、その旨を告示しなければならない。
【第11条の2】 虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判をいう。以下この項において同じ。)若しくは錯誤による届出等又は市町村長の過誤によって記載がされ、かつ、その記載につき第24条第2項、第113条、第114条又は第116条の規定によって訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときは、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示する。ただし、再製によって記載に錯誤又は遺漏がある戸籍となるときは、この限りでない。
2 市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があつたときも、前項本文と同様とする。
【第12条】 一戸籍内の全員をその戸籍から除いたときは、その戸籍は、これを戸籍簿から除いて別につづり、除籍簿として、これを保存する。
2 第9条、第11条及び前条の規定は、除籍簿及び除かれた戸籍について準用する。
【第12条の2】 除かれた戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その除かれた戸籍の謄本若しくは抄本又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求をすることができる。国又は地方公共団体の職員、弁護士その他法務省令で定める者も、同様である。
2 前項に規定する者以外の者は、相続関係を証明する必要がある場合その他法務省令で定める場合に限り、同項の請求をすることができる。
3 第10条第4項の規定は、第1項の請求をする場合に準用する。
第三章 戸籍の記載
【第13条】 戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
1.氏名
2.出生の年月日
3.戸籍に入った原因及び年月日
4.実父母の氏名及び実父母との続柄
5.養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
6.夫婦については、夫又は妻である旨
7.他の戸籍から入った者については、その戸籍の表示
8.その他法務省令で定める事項
【第14条】 氏名を記載するには、左の順序による。
第1夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
第2配偶者
第3子
2 子の間では、出生の前後による。
3 戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については、戸籍の末尾にこれを記載する。
【第15条】 戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判によってこれをする。
【第16条】 婚姻の届出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する。但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
2 前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
3 日本人と外国人との婚姻の届出があったときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
【第17条】 戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至ったときは、その者について新戸籍を編製する。
【第18条】 父母の氏を称する子は、父母の戸籍に入る。
2 前項の場合を除く外、父の氏を称する子は、父の戸籍に入り、母の氏を称する子は、母の戸籍に入る。
3 養子は、養親の戸籍に入る。
【第19条】 婚姻又は養子縁組によって氏を改めた者が、離婚、離縁又は婚姻若しくは縁組の取消によって、婚姻又は縁組前の氏に復するときは、婚姻又は縁組前の戸籍に入る。但し、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍を編製する。
2 前項の規定は、民法第751条第1項の規定によって婚姻前の氏に復する場合及び同法第791条第4項の規定によつて従前の氏に復する場合にこれを準用する。
3 民法第767条第2項(同法第749条及び第771条において準用する場合を含む。)又は同法第816条第2項(同法第808条第2項において準用する場合を含む。)の規定によって離婚若しくは婚姻の取消し又は離縁若しくは縁組の取消しの際に称していた氏を称する旨の届出があった場合において、その届出をした者を筆頭に記載した戸籍が編製されていないとき、又はその者を筆頭に記載した戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
【第20条】 前2条の規定によって他の戸籍に入るべき者に配偶者があるときは、前2条の規定にかかわらず、その夫婦について新戸籍を編製する。
【第20条の2】 第107条第2項又は第3項の規定によつて氏を変更する旨の届出があった場合において、その届出をした者の戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
2 第107条第4項において準用する同条第1項の規定によって氏を変更する旨の届出があったときは、届出事件の本人について新戸籍を編製する。
【第20条の3】 第68条の2の規定によって縁組の届出があったときは、まず妻子について新戸籍を編製する。ただし、養子が養親の戸籍に在るときは、この限りではない。
2 第14条第3項の規定は、前項ただし書の場合に準用する。
【第20条の4】 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第3条第1項の規定による性別の取扱いの変更の審判があった場合において、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者の戸籍に在る者又は在った者が他にあるときは、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者について新戸籍を編製する。
【第21条】 成年に達した者は、分籍をすることができる。但し、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、この限りでない。
2 分籍の届出があったときは、新戸籍を編製する。
【第22条】 父又は母の戸籍に入る者を除く外、戸籍に記載がない者についてあらたに戸籍の記載をすべきときは、新戸籍を編製する。
【第23条】 第16条乃至第21条の規定によって、新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者は、従前の戸籍から除籍される。死亡し、失踪の宣告を受け、又は国籍を失った者も、同様である。
【第24条】 戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、市町村長は、遅滞なく届出人又は届出事件の本人にその旨を通知しなければならない。但し、その錯誤又は遺漏が市町村長の過誤によるものであるときは、この限りでない。
2 前項の通知をすることができないとき、又は通知をしても戸籍訂正の申請をする者がないときは、市町村長は、管轄法務局又は地方法務局の長の許可を得て、戸籍の訂正をすることができる。前項ただし書の場合も、同様である。
3 裁判所その他の官庁、検察官又は吏員がその職務上戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを知ったときは、遅滞なく届出事件の本人の本籍地の市町村長にその旨を通知しなければならない。
第四章 届出
第1節 通則
【第25条】 届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
2 外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。
【第26条】 本籍が明かでない者又は本籍がない者について、届出があった後に、その者の本籍が明かになったとき、又はその者が本籍を有するに至ったときは、届出人又は届出事件の本人は、その事実を知った日から10日以内に、届出事件を表示して、届出を受理した市町村長にその旨を届け出なければならない。
【第27条】 届出は、書面又は口頭でこれをすることができる。
【第28条】 法務大臣は、事件の種類によって、届書の様式を定めることができる。
2 前項の場合には、その事件の届出は、当該様式によってこれをしなければならない。但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
【第29条】 届書には、左の事項を記載し、届出人が、これに署名し、印を押さなければならない。
1.届出事件
2.届出の年月日
3.届出人の出生の年月日、住所及び戸籍の表示
4.届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示及び届出人の資格
【第30条】 届出事件によって、届出人又は届出事件の本人が他の戸籍に入るべきときは、その戸籍の表示を、その者が従前の戸籍から除かれるべきときは、従前の戸籍の表示を、その者について新戸籍を編製すべきときは、その旨、新戸籍編製の原因及び新本籍を、届書に記載しなければならない。
2 届出事件によって、届出人若しくは届出事件の本人でない者が他の戸籍に入り、又はその者について新戸籍を編製すべきときは、届書にその者の氏名、出生の年月日及び住所を記載する外、その者が他の戸籍に入るか又はその者について新戸籍を編製するかの区別に従って、前項に掲げる事項を記載しなければならない。
3 届出人でない者について新戸籍を編製すべきときは、その者の従前の本籍と同一の場所を新本籍と定めたものとみなす。
【第31条】 届出をすべき者が未成年者又は成年被後見人であるときは、親権を行う者又は後見人を届出義務者とする。ただし、未成年者又は成年被後見人が届出をすることを妨げない。
2 親権を行う者又は後見人が届出をする場合には、届書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.届出をすべき者の氏名、出生の年月日及び本籍
2.行為能力の制限の原因
3.届出人が親権を行う者又は後見人である旨
【第32条】 未成年者又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。
【第33条】 証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所及び本籍を記載して署名し、印を押さなければならない。
【第34条】 届書に記載すべき事項であって、存しないもの又は知れないものがあるときは、その旨を記載しなければならない。
2 市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない。
【第35条】 届書には、この法律その他の法令に定める事項の外、戸籍に記載すべき事項を明かにするために必要であるものは、これを記載しなければならない。
【第36条】 2箇所以上の市役所又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合には、市役所又は町村役場の数と同数の届書を提出しなければならない。
2 本籍地外で届出をするときは、前項の規定によるものの外、なお、一通の届書を提出しなければならない。
3 前2項の場合に、相当と認めるときは、市町村長は、届書の謄本を作り、これを届書に代えることができる。
【第37条】 口頭で届出をするには、届出人は、市役所又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述しなければならない。
2 市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、且つ、届出人に、その書面に署名させ、印を押させなければならない。
3 届出人が疾病その他の事故によって出頭することができないときは、代理人によって届出をすることができる。但し、第60条、第61条、第66条、第68条、第70条乃至第72条、第74条及び第76条の届出については、この限りでない。
【第38条】 届出事件について父母その他の者の同意又は承諾を必要とするときは、届書にその同意又は承諾を証する書面を添附しなければならない。但し、同意又は承諾をした者に、届書にその旨を附記させて、署名させ、印をおさせるだけで足りる。
2 届出事件について裁判又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判又は許可書の謄本を添附しなければならない。
【第39条】 届書に関する規定は、第37条第2項及び前条第1項の書面にこれを準用する。
【第40条】 外国に在る日本人は、この法律の規定に従って、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事に届出をすることができる。
【第41条】 外国に在る日本人が、その国の方式に従って、届出事件に関する証書を作らせたときは、3箇月以内にその国に駐在する日本の大使、行使又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
2 大使、公使又は領事がその国に駐在しないときは、3筒月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない。
【第42条】 大使、公使又は領事は、前2条の規定によって書類を受理したときは、遅滞なく、外務大臣を経由してこれを本人の本籍地の市町村長に送付しなければならない。
【第43条】 届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。
2 裁判が確定した日から期間を起算すべき場合に、裁判が送達又は交付前に確定したときは、その送達又は交付の日からこれを起算する。
【第44条】 市町村長は、届出を怠った者があることを知ったときは、相当の期間を定めて、届出義務者に対し、その期間内に届出をすべき旨を催告しなければならない。
2 届出義務者が前項の期間内に届出をしなかったときは、市町村長は、更に相当の期間を定めて、催告をすることができる。
3 第24条第2項の規定は、前2項の催告をすることができない場合及び催告をしても届出をしない場合に、同条第3項の規定は、裁判所その他の官庁、検察官又は吏員がその職務上届出を怠った者があることを知った場合にこれを準用する。
【第45条】 市町村長は、届出を受理した場合に、届書に不備があるため戸籍の記載をすることができないときは、届出人に、その追完をさせなければならない。この場合には、前条の規定を準用する。
【第46条】 届出期間が経過した後の届出であっても、市町村長は、これを受理しなければならない。
【第47条】 届出人の生存中に郵送した届書は、その死亡後であっても、市町村長は、これを受理しなければならない。
2 前項の規定によって届書が受理されたときは、届出人の死亡の時に届出があったものとみなす。
【第48条】 届出人は、届出の受理又は不受理の証明書を請求することができる。
2 利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
3 第10条第4項の規定は、前2項の場合にこれを準用する。
第2節 出生
【第49条】 出生の届出は、14日以内(国外で出生があったときは、3箇月以内)にこれをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載しなければならない。
1.子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別
2.出生の年月日時分及び場所
3.父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
4.その他法務省令で定める事項
3 医師、助産師又はその他の者が出産に立ち会った場合には、医師、助産師、その他の者の順序に従ってそのうちの1人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによって作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
【第50条】 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
2 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
【第51条】 出生の届出は、出生地でこれをすることができる。
2 汽車その他の交通機関(船舶を除く。以下同じ。)の中で出生があったときは母がその交通機関から降りた地で、航海日誌を備えない船舶の中で出生があったときはその船舶が最初に入港した地で、出生の届出をすることができる。
【第52条】 嫡出子出生の届出は、父又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。
2 嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。
3 前2項の規定によって届出をすべき者が届出をすることができない場合には、左の者は、その順序に従って、届出をしなければならない。
第1同居者
第2出産に立ち会った医師、助産師又はその他の者
4 第1項又は第2項の規定によって届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。
【第53条】 嫡出子否認の訴を提起したときであっても、出生の届出をしなければならない。
【第54条】 民法第773条の規定によって裁判所が父を定むべきときは、出生の届出は、母がこれをしなければならない。この場合には、届書に、父が未定である事由を記載しなければならない。
2 第52条第3項及び第4項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
【第55条】 航海中に出生があったときは、船長は、24時間以内に、第49条第2項に掲げる事項を航海日誌に記載して、署名し、印を押さなければならない。
2 前項の手続をした後に、船舶が日本の港に著いたときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければならない。
3 船舶が外国の港に著いたときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその国に駐在する日本の大使、公使又は領事に送付し、大使、公使又は領事は、遅滞なく外務大臣を経由してこれを本籍地の市町村長に送付しなければならない。
【第56条】 病院、監獄その他の公設所で出生があった場合に、父母がともに届出をすることができないときは、公設所の長又は管理人が、届出をしなければならない。
【第57条】 棄児を発見した者又は棄児発見の申告を受けた警察官は、24時間以内にその旨を市町村長に申し出なければならない。
2 前項の申出があったときは、市町村長は、氏名をつけ、本籍を定め、且つ、附属品、発見の場所、年月日時その他の状況並びに氏名、男女の別、出生の推定年月日及び本籍を調書に記載しなければならない。その調書は、これを届書とみなす。
【第58条】 前条第1項に規定する手続をする前に、棄児が死亡したときは、死亡の届出とともにその手続をしなければならない。
【第59条】 父又は母は、棄児を引き取ったときは、その日から1箇月以内に、出生の届出をし、且つ、戸籍の訂正を申請しなければならない。
第3節 認知
【第60条】 認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
1.父が認知をする場合には、母の氏名及び本籍
2.死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日及び本籍
【第61条】 胎内に在る子を認知する場合には、届書にその旨、母の氏名及び本籍を記載し、母の本籍地でこれを届け出なければならない。
【第62条】 民法第789条第2項の規定によって嫡出子となるべき者について、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有する。
【第63条】 認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
2 訴えを提起した者が前項の規定による届出をしないときは、その相手方は、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができる。この場合には、同項後段の規定を準用する。
【第64条】 遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から10日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、第60条又は第61条の規定に従って、その届出をしなければならない。
【第65条】 認知された胎児が死体で生まれたときは、出生届出義務者は、その事実を知った日から14日以内に、認知の届出地で、その旨を届け出なければならない。但し、遺言執行者が前条の届出をした場合には、遺言執行者が、その届出をしなければならない。
第4節 養子縁組
【第66条】 縁組をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
【第67条】 削除
【第68条】 民法第797条の規定によって縁組の承諾をする場合には、届出は、その承諾をする者がこれをしなければならない。
【第68条の2】 第63条第1項の規定は、縁組の裁判が確定した場合に準用する。
【第69条】 第63条の規定は、縁組取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
【第69条の2】 第73条の2の規定は、民法第808条第2項において準用する同法第816条第2項の規定によって縁組の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第5節 養子離縁
【第70条】 離縁をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
【第71条】 民法第811条第2項の規定によって協議上の離緑をする場合には、届出は、その協議をする者がこれをしなければならない。
【第72条】 民法第811条第6項の規定によって離縁をする場合には、生存当事者だけで、その届出をすることができる。
【第73条】 第63条の規定は、離縁又は離縁取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
2 第75条第2項の規定は、検察官が離縁の裁判を請求した場合に準用する。
【第73条の2】 民法第816条第2項の規定によって離縁の際に称していた氏を称しようとする者は、離縁の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第6節 婚姻
【第74条】 婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
1.夫婦が称する氏
2.その他法務省令で定める事項
【第75条】 第63条の規定は、婚姻取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
2 検察官が訴を提起した場合には、裁判が確定した後に、遅滞なく戸籍記載の請求をしなければならない。
【第75条の2】 第77条の2の規定は、民法第749条において準用する同法第767条第2項の規定によって婚姻の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第7節 離婚
【第76条】 離婚をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
1.親権者と定められる当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
2.その他指令で定める事項
【第77条】 第63条の規定は、離婚又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
2 前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
1.親権者と定められた当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
2.その他法務省令で定める事項
【第77条の2】 民法第767条第2項(同法第771条において準用する場合を含む。)の規定によって離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第8節 親権及び未成年者の後見
【第78条】 民法第819条第3項但書又は第4項の規定によって協議で親権者を定めようとする者は、その旨を届け出なければならない。
【第79条】 第63条第1項の規定は、民法第819条第3項ただし書若しくは第4項の協議に代わる裁判が確定し、若しくは親権者変更の裁判が確定した場合又は父母の一方が親権若しくは管理権の喪失の宣告を受け他の一方がその権利を行う場合において親権者に、親権又は管理権の喪失の宣告の取消しの裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者について準用する。
【第80条】 親権若しくは管理権を辞し、又はこれを回得しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
【第81条】 民法第838条第1号に規定する場合に開始する後見(以下「未成年者の後見」という。)の開始の届出は、未成年後見人が、その就職の日から10日以内に、これをしなければならない。
2 届書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.後見開始の原因及び年月日
2.未成年後見人が就職した年月日
【第82条】 未成年後見人が更迭した場合には、後任者は、就職の日から10日以内にその旨を届け出なければならない。この場合には、前条第2項の規定を準用する。
【第83条】 遺言による未成年後見人指定の場合には、指定に関する遺言の謄本を届書に添付しなければならない。
2 未成年後見人選任の裁判があった場合には、裁判の謄本を届書に添付しなければならない。
【第84条】 未成年者の後見の終了の届出は、未成年後見人が、10日以内に、これをしなければならない。その届出には、未成年者の後見の終了の原因及び年月日を記載しなければならない。
【第85条】 未成年後見人に関するこの節の規定は、未成年後見監督人について準用する。
第9節 死亡及び失踪
【第86条】 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3箇月以内)に、これをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載し、診断書又は検案書を添附しなければならない。
1.死亡の年月日時分及び場所
2.その他法務省令で定める事項
3 やむを得ない事由によって診断書又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。この場合には、届書に診断書又は検案書を得ることができない事由を記載しなければならない。
【第87条】 左の者は、その順序に従って、死亡の届出をしなければならない。但し、順序にかかわらず届出をすることができる。
第1同居の親族
第2その他の同居者
第3家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人
2 死亡の届出は、同居の親族以外の親族も、これをすることができる。
【第88条】 死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
2 死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車その他の交通機関の中で死亡があったときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があったときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
【第89条】 水難、火災その他の事変によって死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があったときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
【第90条】 死刑の執行があったときは、監獄の長は、遅滞なく監獄所在地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
2 前項の規定は、在監中死亡した者の引取人がない場合にこれを準用する。この場合には、報告書に診断書又は検案書を添附しなければならない。
【第91条】 前2条に規定する報告書には、第86条第2項に掲げる事項を記載しなければならない。
【第92条】 死亡者の本籍が明かでない場合又は死亡者を認識することができない場合には、警察官は、検視調書を作り、これを添附して、遅滞なく死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
2 死亡者の本籍が明かになり、又は死亡者を認識することができるに至ったときは、警察官は、遅滞なくその旨を報告しなければならない。
3 第1項の報告があった後に、第87条第1項第1号又は第2号に掲げる者が、死亡者を認識したときは、その日から10日以内に、死亡の届出をしなければならない。
【第93条】 第55条及び第56条の規定は、死亡の届出にこれを準用する。
【第94条】 第63条第1項の規定は、失踪宣告又は失踪宣告取消の裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者にこれを準用する。この場合には、失踪宣告の届書に民法第31条の規定によって死亡したとみなされる日をも記載しなければならない。
第10節 生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了
【第95条】 民法第751条第1項の規定によって婚姻前の氏に復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
【第96条】 民法第728条第2項の規定によって姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第11節 推定相続人の廃除
【第97条】 第63条第1項の規定は、推定相続人の廃除又は廃除取消の裁判が確定した場合において、その裁判を請求した者にこれを準用する。
第12節 入籍
【第98条】 民法第791条第1項から第3項までの規定によって父又は母の氏を称しようとする者は、その父又は母の氏名及び本籍で届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
2 民法第791条第2項の規定によって父母の氏を称しようとする者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
【第99条】 民法第791条第4項の規定によって従前の氏に復しようとする者は、同条第1項から第3項までの規定によって氏を改めた年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
2 前項の者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
第13節 分籍
【第100条】 分籍をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
2 他の市町村に新本籍を定める場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
【第101条】 前条第2項の場合には、分籍の届出は、分籍地でこれをすることができる。
第14節 国籍の得喪
【第102条】 国籍法第3条第1項又は第17条第1項若しくは第2項の規定によって国籍を取得した場合の国籍取得の届出は、国籍を取得した者が、その取得の日から1箇月以内(その者がその日に国外に在るときは、3箇月以内)に、これをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載し、国籍取得を証すべき書面を添附しなければならない。
1.国籍取得の年月日
2.国籍取得の際に有していた外国の国籍
3.父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍
4.配偶者の氏名及び本籍、配偶者が外国人であるときは、その氏名及び国籍
5.その他法務省令で定める事項
【第102条の2】 帰化の届出は、帰化した者が、告示の日から1箇月以内に、これをしなければならない。この場合における届書の記載事項については、前条第2項の規定を準用する。
【第103条】 国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者又は4親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1箇月以内(届出をすべき者がその事実を知った日に国外に在るときは、その日から3箇月以内)に、これをしなければならない。
2 届書には、次の事項を記載し、国籍喪失を証すべき書面を添附しなければならない。
1.国籍喪失の原因及び年月日
2.新たに外国の国籍を取得したときは、その国籍
【第104条】 国籍法第12条に規定する国籍の留保の意思の表示は、出生の届出をすることができる者(第52条第3項の規定によって届出をすべき者を除く。)が、出生の日から3箇月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出ることによって、これをしなければならない。
2 前項の届出は、出生の届出とともにこれをしなければならない。
3 天災その他第1項に規定する者の責めに帰することができない事由によって同項の期間内に届出をすることができないときは、その期間は、届出をすることができるに至った時から14日とする。
【第104条の2】 国籍法第14条第2項の規定による日本の国籍の選択の宣言は、その宣言をしようとする者が、その旨を届け出ることによって、これをしなければならない。
2 届書には、その者が有する外国の国籍を記載しなければならない。
【第104条の3】 市町村長は、戸籍事務の処理に際し、国籍法第14条第1項の規定により国籍の選択をすべき者が同項に定める期限内にその選択をしていないと思料するときは、その者の氏名、本籍その他法務省令で定める事項を管轄法務局又は地方法務局の長に通知しなければならない。
【第105条】 官庁又は公署がその職務上国籍を喪失した者があることを知ったときは、遅滞なく本籍地の市町村長に、国籍喪失を証すべき書面を添附して、国籍喪失の報告をしなければならない。
2 報告書には、第103条第2項に掲げる事項を記載しなければならない。
【第106条】 外国の国籍を有する日本人がその外国の国籍を喪失したときは、その者は、その喪失の事実を知った日から1箇月以内(その者がその事実を知った日に国外に在るときは、その日から3箇月以内)に、その旨を届け出なければならない。
2 届書には、外国の国籍の喪失の原因及び年月日を記載し、その喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
第15節 氏名の変更
【第107条】 やむを得ない事由によって氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
2 外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から6箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
3 前項の規定によって氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から3箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
4 第1項の規定は、父又は母が外国人である者(戸籍の筆頭に記載した者又はその配偶者を除く。)でその氏をその父又は母の称している氏に変更しようとするものに準用する。
【第107条の2】 正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
第16節 転籍及び就籍
【第108条】 転籍をしようとするときは、新本籍を届書に記載して、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者が、その旨を届け出なければならない。
2 他の市町村に転籍をする場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
【第109条】 転籍の届出は、転籍地でこれをすることができる。
【第110条】 本籍を有しない者は、家庭裁判所の許可を得て、許可の日から10日以内に就籍の届出をしなければならない。
2 届書には、第13条に掲げる事項の外、就籍許可の年月日を記載しなければならない。
【第111条】 前条の規定は、確定判決によって就籍の届出をすべき場合にこれを準用する。この場合には、判決の謄本を届書に添附しなければならない。
【第112条】 就籍の届出は、就籍地でこれをすることができる。
第5章 戸籍の訂正
【第113条】 戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
【第114条】 届出によって効力を生ずべき行為について戸籍の記載をした後に、その行為が無効であることを発見したときは、届出人又は届出事件の本人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
【第115条】 前2条の許可の裁判があったときは、1箇月以内に、その謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければならない。
【第116条】 確定判決によって戸籍の訂正をすべきときは、訴を提起した者は、判決が確定した日から1箇月以内に、判決の謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければならない。
2 検察官が訴を提起した場合には、判決が確定した後に、遅滞なく戸籍の訂正を請求しなければならない。
【第117条】 第25条第1項、第27条から第32条まで、第34条から第39条まで、第43条から第48条まで、及び第63条第2項前段の規定は、戸籍訂正の申請に準用する。
第5章の2 電子情報処理組織による戸籍事務の取扱いに関する特例
【第117条の2】 法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織によって取り扱うことができる。
2 前項の指定は、市町村長の申出に基づき、告示してしなければならない。
【第117条の3】 前条第1項の場合においては、戸籍は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)に記録し、これをもって調製する。
2 前項の場合においては、磁気ディスクをもって調製された戸籍を蓄積して戸籍簿とし、磁気ディスクをもって調製された除かれた戸籍を蓄積して除籍簿とする。
【第117条の4】 前条の規定により戸籍又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもって調製されているときは、第10条第1項又は第12条の2第1項の請求は、これらの規定の謄本、抄本又は証明書に代えて、磁気ディスクをもつて調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面についてすることができる。
2 前項の磁気ディスクをもって調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面は、第100条第2項及び第108条第2項の規定並びに旅券法その他の法令の規定の適用については、戸籍又は除かれた戸籍の謄本又は抄本とみなす。
第6章 雑則
【第117条の5】 戸籍事件に関する市町村長の処分については、行政手続法第2章及び第3章の規定は、適用しない。
【第117条の6】 戸籍及び除かれた戸籍の副本並びに第48条第2項に規定する書類については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定は、適用しない。
【第117条の7】 戸籍及び除かれた戸籍の副本並びに第48条第2項に規定する書類に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第4章の規定は、適用しない。
【第117条の8】 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(以下この条において「情報通信技術利用法」という。)第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする届出の届出地及び同項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする申請の申請地については、第4章及び第5章の規定にかかわらず、法務省令で定めるところによる。
2 第47条の規定は、情報通信技術利用法第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してした届出及び申請について準用する。
3 第40条又は民法第741条若しくは第801条の規定による届出及び第41条の規定による証書の謄本の提出については、情報通信技術利用法第3条の規定は、適用しない。
4 戸籍及び除かれた戸籍については、情報通信技術利用法第6条の規定は、適用しない。
【第118条】 戸籍事件について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服の申立をすることができる。
【第119条】 第107条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第107条の2、第110条第1項、第113条又は第114条の許可及び前条の不服の申立ては、家事審判法の適用に関しては、これを同法第9条第1項甲類に掲げる事項とみなす。
【第119条の2】 戸籍事件については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
【第120条】 正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、これを3万円以下の過料に処する。
【第121条】 市町村長が、第44条第1項又は第2項(第117条において準用する場合を含む。)の規定によって、期間を定めて届出又は申請の催告をした場合に、正当な理由がなくてその期間内に届出又は申請をしない者は、これを5万円以下の過料に処する。
【第121条の2】 偽りその他不正の手段により、第10条第1項若しくは第12条の2第1項の謄本、抄本若しくは証明書の交付を受け、第48条第2項(第117条において準用する場合を含む。)の規定による閲覧をし、若しくは証明書の交付を受け、又は第117条の4第1項の書面の交付を受けた者は、5万円以下の過料に処する。
【第122条】 次の場合には、市町村長を5万円以下の過料に処する。
1.正当な理由がなくて届出又は申請を受理しないとき。
2.戸籍の記載又は記録をすることを怠ったとき。
3.正当な理由がなくて届書その他の受理した書類の閲覧を拒んだとき。
4.正当な理由がなくて戸籍若しくは除かれた戸籍の謄本若しくは抄本、第10条第1項若しくは第12条の2第1項の証明書、第48条第1項若しくは第2項(第117条において準用する場合を含む。)の証明書又は第117条の4第1項の書面を交付しないとき。
5.その他戸籍事件について職務を怠ったとき。
【第123条】 過料についての裁判は、簡易裁判所がこれをする。
【第124条】 戸籍の記載又は記録を要しない事項について虚偽の届出をした者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。外国人に関する事項について虚偽の届出をした者も、同様である。
【第125条】 この法律に定めるものの外、届書その他戸籍事務の処理に関し必要な事項は、法務省令でこれを定める。